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常設展示
◆龍ケ崎の撞舞(茨城県指定無形民俗文化財)
龍ケ崎市では毎年7月下旬の3日間で八坂神社祭礼が行われます。その最終日に執り行われるのが「撞舞(つくまい)」。
唐草模様の衣裳にアマガエルの面をかぶった舞男が、高さ14メートルあまりの「撞柱」と呼ばれる柱をのぼり、柱の頂上付近でさまざまな曲芸を繰り広げます。
エントランスでは、この「撞舞」の4分の1の模型と、実際の祭礼の様子を映像で見ることができます。
[映像で見ることができる内容]
・龍ケ崎の水と歴史
・オピシャ
・龍ケ崎の撞舞
・ナラセモチと鳥追い
◆原始古代
龍ケ崎市の地形は、北側の稲敷台地の一部と南側の北方台地、それにこれら2つの台地に挟まれた低地によって構成されています。展示されているさまざまな石器や土器は、主にこれらの台地から発掘されたものです。そして、これらのほとんどは大規模なニュータウンの建設に先立って行われた発掘調査により、再び現代にあらわれた歴史の"証人"といえます。
[主な展示テーマ]
旧石器時代/縄文時代/弥生時代/古墳時代/奈良・平安時代の道具
縄文時代の狩猟・採集生活
竪穴住居のくらし
採集された食物
狩人と獲物
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◆中世
常陸国と下総国にまたがっていた中世の龍ケ崎市域は、中央政権との関わりのなかで政治的な変動が激しかったようです。展示は、旧八代町の城ノ内に広大な「屋代城」を築いた屋代(やしろ)氏と、龍ケ崎城を築いて城下町を設け、現在の龍ケ崎市の基礎を築いた土岐(とき)氏に関する資料を中心に構成されています。
発掘調査によって東西300メートル、南北250メートルの巨大な遺構として現れた屋代城跡からは、当時の人々の生活を示す「かわらけ」や石臼、武具の一部などが発見されています。
また、土岐氏については、その有力な家臣であった家が市内に残っており、主君から拝領したといわれる裃や古文書などが展示されています。
[主な展示テーマ]
屋代城の変遷
中世の人々のくらし
石に刻まれた信仰
土岐氏と龍ケ崎
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◆近世
戦国時代に龍ケ崎城を治めた土岐胤倫(ときたねとも)は、天正18年(1590)に豊臣秀吉の小田原攻めの際に北条氏の傘下にあったため豊臣方の攻撃を受けて敗れ、江戸崎城の兄土岐治綱とともに没落の運命をたどりました。その後の龍ケ崎は、佐竹義宣の実弟芦名盛重の支配を経て、慶長11年(1606)から仙台藩主伊達政宗(だてまさむね)の飛地となり、そのまま幕末まで続くこととなります。
常陸国における仙台藩の領地は、河内郡龍ケ崎村を含む数か村からなり、合わせて1万石余りありました。仙台藩は龍ケ崎村に陣屋を設けて代官を置き、これら常陸領の支配にあたらせる機構を作りました。江戸にごく近いこの地が、"東北の雄"仙台藩伊達氏に与えられたという事実に、資料館を訪れる人は一様に驚きます。
仙台藩に関する展示のほかは、当時の龍ケ崎市域の人々が、利根川や小貝川、そして牛久沼などの水系との深い関わりを持ち生活していたことを示す資料がいくつか展示されています。
[主な展示テーマ]
仙台藩の支配
龍ケ崎の村々
検地帳と町場の屋敷割
町場の様子
江戸・銚子への水運と街道
水とくらし
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◆近現代
幕末の龍ケ崎市域では、大徳村の名主武田治左衛門が元治元年(1864)の天狗(てんぐ)党による筑波山挙兵に参加しました。たくさんの軍資金を持参のうえ「義挙」に身を投じた治左衛門は、天狗党一行とともに西上しましたが、金沢において投降し、敦賀で斬首されたと伝えられます。幕末維新の大きなうねりのなかで活躍した郷土の先人がこの地にもいたのです。
一方、仙台藩領であった龍ケ崎村は、慶応4年(1868)に入ってから、困窮した民衆による打ちこわしなどが発生して不穏な状況が続きました。龍ケ崎陣屋では新政府軍の兵が進軍するにおよんで、代官ら役人が本国仙台へ向けて逃走したと伝えられ、しばらく混乱が続きました。この後、龍ケ崎村は上総安房知県事(かずさあわちけんじ)の管理するところとなり、宮谷県(みやざくけん)、米津政敏(よねきつまさとし)を藩主とする龍ケ崎藩、廃藩置県による龍ケ崎県、新治県などを経て、明治8年に茨城県に編入されることとなり、激動の時代をかけぬけました。
このほか、近代の龍ケ崎市域を特徴づけるものとして、明治33年に開業した龍ケ崎鉄道(現関東鉄道竜ケ崎線)と、軍需工場として栄えた羽田精機龍ケ崎工場にかかわる品々などが展示されています。
[主な展示テーマ]
明治維新と龍ケ崎
龍ケ崎の文化圏
学校教育のあゆみ
龍ケ崎の産業
龍交社の興亡
龍ケ崎鉄道のあらまし
軍需工場だった羽田精機
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◆民俗
今では見ることが難しくなった農家や商家における年中行事や信仰、そして生活道具などを展示しています。大きな数珠(じゅず)を数人で回しながら念仏を唱える「百万遍(ひゃくまんべん)」、毎年1月15日前後に「鬼」の字や三本足のカラスの絵を描いた的を作り、これを弓矢で射ることによってその年の農作物の作柄を占う「オピシャ」などの展示は目を引きます。
[主な展示テーマ]
- 農家のくらし
- 水と稲作
- 雨乞い
- 野良着/職人の仕事着
- 馴馬ミノ
- オピシャ
- 講
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◆昔の暮らしと道具
懐かしい昭和時代の生活道具や雑貨などを展示しています。
小学校の社会科見学での利用が多く、中でも昭和41年から平成17年まで乗られたスバル360は人気の的です。
(一部は、展示替えになることがあります。)